「幻の傑作機キ-94/2」




「失敗作キ-70?から学んだキ-94/2」

★翼面過重が大きく、高速を狙った立川のキ-70指令部偵察機の、試作機は580キロしか出なかった。これは日本の失敗機の代表みたいに言われているが、色々の現在に残るデータを見るとそれほどの失敗作でもない。遠隔操作の機銃や視界がずばぬけて良い偵察席をのぞけば、軽爆撃機としても使える速度だ。また3号試作機からは、エンジンをハ-104からハ-211ル排気タービン付きに交換するなどの予定があったのは、あまり知られていない。このエンジン交換プラス遠隔防御銃撤去、やたらと視界の良い偵察席廃止などをすると、よほどの名偵察爆撃機になったかもしれない。(キ-70の試作が整理されたのは、他の偵察機キ-83(三菱遠距離戦闘機)が良い数字を出していたのが原因)さて、ここで本題のキ94/2の話しをするが、初の自社製機のキ-70をしくじって(キャンセル) ガッカリだったが、次ぎの試作機にこのキ-70の経験が悪い所も良い所も生かされる事になる。先ず悪い所だが、「分散した要求を無理に実現することは良くない。」と言う考え方を持つようになった。そのため、高高度迎撃、それもB-29専門の重爆専用機に性能がしぼられた。また良い点としては、速度優先の翼面過重が大をもって、高速一撃離脱に徹底された。そのためにキ-94/2の翼面過重は238kg/m2と言う数値しめし、これは日本軍最高値にあたっている。まあ、これは悪い点からの学習と言う事も言えなくはないのだが、翼面荷重 "大"の翼をキ70で一度作っているという経験によるデータの蓄積にもつながったとも考えられる。

参考資料 主な日本軍機の翼面過重
機名 翼面過重数値(kg/m2)
キ-94 238kg/m2
キ-87 235kg/m2
烈風改 150kg/m2
紫電改 170kg/m2
零戦52型 140kg/m2
零戦21型 103kg/m2






「幻の傑作機キ-94/2」

★こうして、大まかな設計思想ができたのだが、細部のつめにも立川は余念がなかった。先ず武装だが、37ミリ機関砲×2 叉は30ミリ機関砲×2プラス20ミリ機関砲×2(ホ5)と言うような重武装で、1発でも30ミリ弾が当たれば撃墜になる上に、さらに念入りに20ミリまで積んでいたりする。また、日本軍機の最大の弱点とされた高高度性能を排気タービンを操縦席下まで排気管で引っぱり、タービンへの熱による負担を少なくした。(上図参照)これはP47サンダ−ボルトからの技術転用と言われてもいるが、ほんとうの所は不明である。さらに与圧された操縦席などの装備により、安定した攻撃力を得る事ができた。この与圧技術は試作遠距離偵察機キ-74で得た技術の転用で、立川の得意とする高高度技術の蓄積と言えた。軍は立川に中島のキ-87高高度戦闘機を元にキ-94/2を開発する事をススメルが、これをあっさり断り(軍も設計図をキ-87と比較検討して、立川案の方がすぐれていると判断したとされてもいる。)、立川の高高度技術に自信を持っていたようだ。

参考資料 キ-94/2此処がすごい一覧表
場所(箇所) 備考
翼面過重 日本軍最高の238kg/m2と言う高翼面過重によって一撃離脱に徹底的に用兵をしぼった
層流翼 海軍で紫電改で実正された、層流翼を陸軍で初採用 (層流翼とは、翼面の乱流をおきにくくした設計の翼。 摩擦抵抗をへらすために翼断面最厚部を後方にうつした翼。)
重武装 37ミリ機関砲×2叉は30ミリ機関砲×2
20ミリ機関砲×2(ホ5)
排気タービンの余熱を使って高高度の凍結防止機能をそなえている。
与圧コクピット 試作遠距離偵察機キ-74で得た技術の集大成。簡易だが高度3000メートルの高度の気圧がたもたれるコクピット。与圧には排気タービンの動力の転用と、さらに風防ガラスの曇り止めに排気タービン熱を利用している。
排気タービンの位置 排気タービン前にインタークラ−を付ける十分なスペースを持ち、その余熱や圧力をコクピットの与圧に採用。
機体の大きさ 大馬力エンジンを無理なくつみこみ、武装、与圧装置などを積みやすくした。そのために余裕ある設計で< 整備などもしやすいとされている。(2式双発遠距離戦闘機「屠龍」と同じ大きさ翼長)
重爆迎撃専用の徹底 使い道をしぼり用兵も初めから徹底的に対高高度重爆激用にかぎられて作られていた。





参考資料 キ-94/2データ
機体寸法/重量  全幅14メートル 全長13.05メートル /6450kg
速度  巡航速度400キロ 最大速度712キロ 着陸速度140キロ
上昇時間  1万メートルまで16分20秒
翼面荷重/馬力荷重  228.5〜248.5kg/m2  3.05〜2.9kg/HP
武装  37ミリ叉は30ミリ機関砲×2プラス30ミリ機関砲叉は20ミリ×2(翼内装備)
その他のデータ  爆弾搭載500キロ 気密室あり 乗員1名 プロペラは2号機より6翅 

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